とやま呉西圏域
4 都市機能の集積状況
① 高等教育機関、研究機関・産業支援機関
本圏域における主な高等教育機関は、2020年(令和2年)時点で5つあり、約3,100人の学生が在学しています。工学、法学、芸術、福祉等、知の拠点として企業・社会のニーズに応え、想像力と実践力を兼ね備えた社会の発展に役立つ人材を育成し、地域の発展に貢献しています。
また、公的な学術研究機関として、県産業技術研究開発センター、県農林水産総合技術センター等が整備されているほか、圏域のものづくりデザイン拠点となる県総合デザインセンターや全国唯一となる県立の薬事総合研究開発センターなど、産学官共同による研究・開発を推進しており、圏域産業の育成・高度化や地域の情報発信拠点として期待されています。
大学・短期大学・高等専門学校の正規の学生数(令和2年5月1日現在)
区分 | 主な高等教育機関名 | 学部・学科 | 学生数(人) | 所在地 |
大学 | 富山大学 | 芸術文化学部 | 474 | 高岡市 |
富山県立大学 | 工学部 | 1,445 | 射水市 | |
高岡法科大学 | 法学部 | 224 | 高岡市 | |
短期大学 | 富山福祉短期大学 | 社会福祉学科 | 83 | 射水市 |
看護学科 | 239 | |||
幼児教育学科 | 95 | |||
国際観光学科 | 15 | |||
高等専門学校 | 富山高等専門学校 | 電子情報工学科 | 217 | 射水市 |
国際ビジネス学科 | 205 | |||
商船学科 | 244 | |||
出典:令和2年度 富山県の高等教育機関(速報値) |
研究機関・産業支援機関
区分 | 主な施設 |
研究機関等 | 富山県産業技術研究開発センター(ものづくり研究開発センター、生活工学研究所)、富山県総合デザインセンター、富山県農林水産総合技術センター園芸研究所・木材研究所、富山県栽培漁業センター、富山県衛生研究所、富山県環境科学センター、富山県薬事総合研究開発センターなど |
② 文化・スポーツ・観光施設等
本圏域では、各市において図書館や美術館、体育館等、様々な文化・スポーツ施設を整備しており、各地域の特色を活かした文化・スポーツ振興施策や施設の相互利用により、市民の生活の質の向上や交流人口の拡大に寄与しています。
また、海から山にかけての多彩な自然環境を備えるとともに伝統産業や文化財、祭礼行事、イベントなどの資源が豊富にあり、これらを核とした観光施設も整備されており、圏域の観光推進に活用されています。
区分 | 機能 | 主な施設 |
---|---|---|
文化・スポーツ施設等 | 図書館 | 高岡市立中央図書館、射水市中央図書館、氷見市立図書館、砺波市立砺波図書館、小矢部市民図書館、南砺市立中央図書館など (18施設:高岡市5、射水市4、氷見市1、砺波市2、小矢部市1、南砺市5) |
美術館・博物館等 | 高岡市美術館、射水市新湊博物館、氷見市立博物館、砺波市美術館、アートハウスおやべ、南砺市福光美術館など (47施設:高岡市11、射水市8、氷見市1、砺波市6、小矢部市4、南砺市17) |
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体育館等 | 東洋通信スポーツセンター(高岡市民体育館)、射水市新湊総合体育館、氷見市ふれあいスポーツセンター、富山県西部体育センター、小矢部市民体育館、南砺市福野体育館など (65施設:高岡市12、射水市8、氷見市2、砺波市16、小矢部市7、南砺市20) |
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陸上競技場・野球場等 | 高岡西部総合公園野球場、歌の森運動公園野球場、氷見運動公園野球場、砺波総合運動公園、小矢部陸上競技場、福光総合グラウンドなど (15施設:高岡市5、射水市2、氷見市1、砺波市3、小矢部市2、南砺市2) |
区分 | 所在地 | 主な施設等 |
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観光資源 | 高岡市 | 国宝瑞龍寺、勝興寺、高岡大仏、高岡御車山会館、金屋町・山町筋の町並み、高岡城跡(高岡古城公園)、高岡市万葉歴史館、ミュゼふくおかカメラ館、高岡市 藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー、高岡御車山祭、伏木曳山祭、福岡町つくりもんまつり など |
射水市 | 新湊大橋、海王丸パーク、県民公園太閤山ランド、竹内源造記念館、陶房「匠の里」、大島絵本館、新湊きっときと市場、いきいき射水・太閤山フェスティバル、新湊曳山祭 など | |
氷見市 | 氷見市漁業文化交流センター(ひみの海探検館)、氷見市潮風ギャラリー(藤子不二雄Ⓐアートコレクション)、氷見市 藤子不二雄Ⓐまんがワールド、氷見市海浜植物園(シーサイドパーク)、朝日山公園、氷見漁港場外市場ひみ番屋街、氷見温泉郷総湯、柳田布尾山古墳、大境洞窟住居跡、祇園祭り など | |
砺波市 | 砺波チューリップ公園、チューリップ四季彩館、庄川水記念公園、庄川峡、庄川温泉郷、となみ夢の平スキー場、となみ散居村ミュージアム、出町子供歌舞伎曳山会館、増山城跡、となみチューリップフェア、庄川観光祭、となみ夜高祭、庄川水まつり、となみ夢の平コスモスウォッチング、庄川ゆずまつり、チューリップ公園KIRAKIRAミッション など | |
小矢部市 | 桜町遺跡、埴生護国八幡宮、クロスランドおやベ、稲葉山牧野、倶利伽羅古戦場、稲葉山・宮島峡県定公園、津沢あんどんふれあい会館、石動曳山祭、津沢夜高あんどん祭、天神獅子舞祭り、源平火牛まつり など | |
南砺市 | 相倉・菅沼合掌造り集落、瑞泉寺、井波彫刻総合会館、閑乗寺公園、タカンボースキー場、くろば温泉、IOX-AROSA、棟方志功記念館、たいらスキー場、そばの郷、城端曳山会館、桜ヶ池クアガーデン、福野夜高祭、城端曳山祭、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド、南砺利賀そば祭り など |
区分 | 所在地 | 主な店舗 |
---|---|---|
大型商業施設 (店舗面積5,000㎡以上)等 |
高岡市 | イオンモール高岡、グリーンモール中曽根など |
射水市 | コストコホールセール射水倉庫店、アル・プラザ小杉など | |
氷見市 | プラファ、ハッピータウン氷見ショッピングセンターなど | |
砺波市 | イオンモールとなみ、MEGAドン・キホーテUNY砺波店など | |
小矢部市 | 三井アウトレットパーク北陸小矢部、ピアゴ小矢部店など | |
南砺市 | 福野ショッピングゾーン(ア・ミュー)、楽蔵グリーンモール福光など | |
出典:富山県ホームページ「大規模小売店舗の概要」(令和2年4月1日現在)※一部時点修正 |
③医療機関
本圏域は高岡市・射水市・氷見市で構成する高岡医療圏と、砺波市・小矢部市・南砺市で構成する砺波医療圏として、これまで保健・医療と福祉に係る連携を図ってきました。圏域内の医療施設は病院が42施設あり、そのうち公的病院が11施設となっています。
これらの公的病院は、各医療圏において核となる医療機能を提供しており、その他の医療施設との連携のもとで、高度な医療サービスの提供及び地域医療の体制確立に向けて機能充実を図っています。
医療施設数等の状況 | (単位:所、床) | ||||
病院 | 病院 | 一般診療所 | 一般診療所 | 歯科診療所 | |
病床数 | 病床数 | ||||
高岡市 | 16 | 2,550 | 136 | 123 | 84 |
射水市 | 6 | 725 | 49 | 42 | 33 |
氷見市 | 4 | 407 | 32 | 30 | 14 |
砺波市 | 6 | 912 | 36 | 12 | 18 |
小矢部市 | 6 | 610 | 16 | ― | 11 |
南砺市 | 4 | 698 | 31 | 19 | 17 |
とやま呉西圏域 | 42 | 5,902 | 300 | 226 | 177 |
出典:令和元年「医療施設調査」(令和元年10月1日現在) |
拠点病院等の状況 | |
機能 | 医療機関・施設名 |
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三次救急医療機関 (救命救急センター) |
厚生連高岡病院(1施設:高岡市) |
二次救急医療機関 | 厚生連高岡病院、高岡市民病院、JCHO高岡ふしき病院、済生会高岡病院、射水市民病院、金沢医科大学氷見市民病院、市立砺波総合病院、北陸中央病院、南砺市民病院 (9施設:高岡市4、射水市1、氷見市1、砺波市1、小矢部市1、南砺市1) |
休日・夜間急病センター | 高岡市急患医療センター、砺波医療圏急患センター (2施設:高岡市、砺波市) |
地域周産期母子医療センター | 厚生連高岡病院、市立砺波総合病院 (2施設:高岡市、砺波市) |
がん診療連携拠点病院 | [国指定] 厚生連高岡病院、高岡市民病院、市立砺波総合病院 (3施設:高岡市2、砺波市1) [県指定] 済生会高岡病院(1施設:高岡市) |
地域災害拠点病院 | 高岡市民病院、厚生連高岡病院、市立砺波総合病院 (3施設:高岡市2、砺波市1) |
出典:富山県医療計画(平成30年3月改訂版) |
④ 公共交通等ネットワーク
本圏域は、日本列島のほぼ中央に位置しており、東に富山市、西に金沢市と隣接しています。また、3大都市圏からほぼ等距離に位置しており、鉄軌道や高速道路等によるアクセスが確保されています。
鉄軌道は、圏域を横断する北陸新幹線とあいの風とやま鉄道、また、高岡駅を起点として海側にJR氷見線と万葉線の2路線、山側にJR城端線の計3路線が南北方向の鉄道ネットワークとして形成されています。
道路では、広域幹線道路として北陸自動車道、国道8号、359号、415号が東西に横断しています。南北には、中京圏と直結する東海北陸自動車道と能登半島に伸びる能越自動車道といった高規格道路のほか、国道156号、160号、304号による道路ネットワークが形成されています。
また、日本海側の「総合的拠点港」である伏木富山港(伏木地区・新湊地区)を有し、国際定期航路や充実した港湾施設により、環日本海交流の中核を担う貿易港として期待されています。
富山きときと空港や隣県である石川県の小松空港、のと里山空港など、空路も近接しており、陸・海・空の広域交通網が充実している本圏域は、広域的な交流拠点として発展する高い資質を備えているといえます。